2011年 08月 27日
今頃ですが、ようやっと「崖の上のポニョ」を見ました。ここんとこジブリづいてます。
宮崎駿のものすごいところは5才の子供、その母、老人など、人物をきっちり描けるところですよな。 アニメに登場する子供はその年齢設定にくらべて変に賢しかったり、逆に幼すぎたりするんですが、この作品の主人公宗介はちゃんと5才の男の子でした。 最近の宮崎駿作品では一番好きかもしれないです。ポニョ。 すごく解りやすい単純明快なストーリーで、ポニョも宗介もとても子供らしくて可愛い。お母さんのリサは運転が荒っぽいところもいかにも若い母親っぽくて人間味ある感じ。父親不在なのは相変わらずですけれども。なんで宮崎駿作品って父親が空気なんだろう…w リサがとてもしっかりしていて、地に足がついてる感じが好印象です。 宗介に対する愛情表現が豊かで、側にいてくれない旦那さんに寂しい思いもしているけど、とっても行動力があって前向き。母って強いなぁって思います。 好きなのは断然フジモト。いや、このヒトいいキャラですよ。元は人間で今は母なる海に仕える魔法使い。いかにもマジシャンらしい派手なコスチュームも、わっさりした赤毛もとても可愛らしいですよねぇ。 この一件のあと、あの潜水艦の中で大泣きしてるんじゃないかなと思うのです。「娘が嫁にいってしまった〜!」って。まだ5才なのに早すぎるよねお父さん。おまけに大事に準備してきた魔法もだいなしにされてしまうし。可哀想にw 母なる海に仕える魔法使いが大事に準備してきた魔法。それを全部つかって、願いを叶える人魚姫はわずか5才。たぶん、それ以上の歳になってしまうと、無垢で純粋な願いにはならなかったんじゃないでしょか。子供だからこそポニョの「宗介のところにいく!」「宗介と一緒にいたい!」という願いが純粋でいられる。 女の恋愛にはどうしても打算というか欲が入らずにはいられないのです。なので純粋な「好意」は子供のものでしかありえない。 ハヤオ先生…解っちゃいるけどそこまで追求せんでも普通に恋する乙女じゃダメだったんですか?w シータみたいな素直な少女でもよかったと思うんですけどよ…。 魔法が溢れてしまった後の世界が好きです。大きな月、水没した街、船に乗る人たち。フジモトのつくった魔法は優しくて、人間を穢れていると言いながら、きっとあの嵐で死んだ人は誰もいないはず。 冒頭であれだけ、ゴミがたくさんあって海底の泥が巻き上がる、港近くのキレイではない現実の海を描いておきながら、魔法の嵐の後の海は本当に美しい。古代の海棲生物が悠々と道路を泳いで、鮮やかな森が沈む海には汚染もヘドロもありません。フジモトは理想主義者というか、夢を捨てない人だなぁ。だから魔法使いになれたのでしょうかね。 リサと耕一の夫婦はいきなり子供が増えて大変だけど。 きっと海は、ささやかなお礼をしてくれるんじゃないでしょかね。フジモトなんか娘の行く末が気になってしょうがないだろうしw 耕一は船乗りだけどこれから先絶対海では死なないだろうし。 宗介とポニョが途中で出会う船に乗った赤ちゃん連れの家族。ポニョが泣いている赤ちゃんに頬擦りするシーンが好きです。 ポニョは母なる海と、彼女を敬愛している魔法使いの実の娘。 海の娘からの祝福は、きっとあの赤ちゃんをも幸せにするんじゃないでしょかね。 あの崖の上の家の庭先で、娘の様子を見に来たフジモトが、リサの入れたハチミツ入りのミルクティで籠絡されちゃっているシーンなんかを想像しました。
by suzu_na
| 2011-08-27 18:17
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