2007年 10月 02日
せっかくスティーブン・キングの名前を出したので彼の著作のなかでもなかなかにアブないのをご紹介。
ホラー作家としてのキングは非常にマニアックで独特のストーリーと執拗な描写がファンを魅了させるんですが、一般的にはホラーじゃない小説の方が評価が高いです。「スタンド・バイ・ミー」「刑務所のリタ・ヘイワース」「グリーン・マイル」等々。 ですがやはりキングの真骨頂はホラーにあり。しかもサイコなほうなのです。オカルトもイイけどねっ! で、ジェラルドのゲーム。 ストーリーをamazonからちょっぱってきた以下↓で軽く紹介しておきますと 季節はずれの山中の別荘。妻を緊縛してセックス遊戯にふけるはずだったジェラルドは急死、床に転がっている。バンザイの恰好で両手をベッドポストにつながれたまま取り残されたジェシーを、渇き、寒さ、妄想が襲う。そしてさまざまな“声”が彼女の思考に入りこんで…。ホラーの帝王・キングが描きだす究極の拘禁状態の恐怖。 ↑こんな感じ。ショーツ1枚で拘束された彼女の足元には夫の屍体。手錠の鍵は壁際の棚の上。電話も部屋の隅。山の別荘であることで人も来ない、何もできない。人が来たところで助かるとは限らない。 ベッドの上に取り残された主人公が、肉体的に精神的に追いつめられて行く過程だけで500ページという恐るべき長編です。(いろんな意味で ネタバレになるので結末は書きませんが。 飢え、乾き、寒さという肉体的な危機もさることながら、足元で腐ってゆく夫の屍体。うろつく野良犬。謎の影等、外的な敵も彼女を攻め立てていくのです。しかしそれは本当の出来事なのか、恐怖に駆られた主人公の妄想あるいは幻覚ではないのか。やがて聞こえて来る声は 主人公自身の声。過去のトラウマ、怪奇現象、狂気。 衰弱してゆきながら主人公が得るままの恐怖を、スティーブン・キングの繊細で執拗な描写がこれでもかこれでもかと書き出して行きます。 途中で読むのがしんどくなってくるこの小説、万人にオススメはできないんですが、サイコ系ホラーが好きな方は一度その狂気と恐怖と苦痛に触れてみると面白いと思います。 >ジェラルドのゲーム[excite ブックス]
by suzu_na
| 2007-10-02 12:45
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