2010年 06月 21日
友人がチャットのハンドルのステータスに「はやぶさおかえり、7年ぶりに帰還しました」とコメントしていたので、けっこう長いつきあいであるのに彼が宇宙開発に興味があるなんて事をついぞ知らなかったアタシはさっそく話かけました。 典型的なにわかでした(笑
や、別に全然構わないんですにわかでも。これをきっかけに興味もってくれたら嬉しい。はやぶさの業績を知って、日本の宇宙開発もがんばってるんだ、応援しよう!と思ってくれれば最高です。 家族なんかに話してくれて、選挙のときの選考の参考にしてくれるともっと嬉しい。 無関心が一番悲しいのです。 たとえば美容院の担当さんや職場の兄貴なんかに、「日本の人工衛星、知ってますか?」 と質問して「ひまわり」が出てくれば万々歳。かろうじて「かぐや」が出て来るくらい。ましてや「すざく」「だいち」「きく」や打ち上げの為の国産ロケットH2ロケットや、ISS絡みのHTVや「きぼう」に至っては、いわゆる「宇宙ファン」や「SF好き」しか知りません。 なんてこった。国が多大なお金をかけて、すばらしい業績を出しているのにまったく知られていないとは。 なので今回の、若干もてはやし過ぎな気がする感じの報道でも、やれやれもっとやれ!と煽りたいくらいです。 さておき彼は言います。 「すごいよね、7年よくがんばった! 流れ星になった時の映像みたら感動して泣いた」 そ、そうか。うん、よかったよ。感動してもらえて。 しかしだなー。なんか違うな、とアタシは思うのですよねー。いえ、彼の感動を否定したりはしませんけれども。 アタシが感動したのはソコじゃない。 だってがんばったのははやぶさじゃなくて、はやぶさを運用した相模原のJAXAの職員のみなさま並びメーカーの出向員つまりスタッフだもの。彼らの執念と根性とその技術力には感嘆するばかりです。 アタシ、根性論嫌いなんですけれど、しかしスタッフの皆様は本当に厳しいハードワークをしています。徹夜の連続だってある厳しいシフトです。それで7年、あれだけの故障を恐るべき冗長性(「こんなこともあろうかと!」ですなw)でカバーし、交信途絶して行方不明になった機体を電波を監視して見つけ出し、様々な手段を講じて4年遅れで計画の遂行を目指す。 イトカワの詳細な観測ができただけでも万々歳な結果出せてるのに。並の根性じゃねぇw だいたいリアクションホイールの3軸のうち2軸が、そして姿勢制御スラスタさえも故障してんのに、どうやってあんな精密誘導できるの。それだけでも考えられんわい。 おまけに突入の時にはカプセル放出後、衝撃で姿勢を崩す機体を反転させて地球の写真撮影を試みた(そしてちゃんと映ってた)ってんですから恐ろしい。イトカワを離れて以来4年以上凍ってて起動してないカメラですよ。 いまにして思うに「HAYABUSA Back to the Earth」を千葉の科学館で見たときも、まわりからはすすり泣きなんかも聞こえてきたんですが、やっぱちょっとしっくり来なかったんですよね。 だって技術的な事といえば地球スイングバイの精密さくらいしか触れてなかったんだもの。あとは「はやぶさ、君を待っていたのは、あまりにも過酷な運命だった」だとか「さぁ、帰ろう。なつかしい地球へ」なんて精神的なナレーションばっかりで。 なんでもっと技術的な解説をしないんだろうって。ずっと腑に落ちなかったんですよな(笑 アタシが感動したのは、「7年がんばってボロボロになりながらも地球に帰って来て、流れ星になって燃え尽きたはやぶさくん」ではなくて。 「あれだけの故障を乗り越えながらも7年かけて計画を遂行させたスタッフの執念と根性とその技術力」だったのでした。 や、まぁね、擬人化も嫌いって訳じゃないんですけどね。もしはやぶさがタチコマボイスで「川口教授ぅ、ぼくぅ、還りたいです...」なんて喋ったらたぶん、萌え倒す。(笑
by suzu_na
| 2010-06-21 22:35
| Science
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