2011年 12月 18日
ちょっと前まで、いや、今でも大半のユーザはそうかもしれないんですけど、ネットとリアルの間には深い溝とか厚い壁があったと思います。
それが匿名の世界であるインターネットの特徴だった。 たとえばチャットにしろ、掲示板にしろ、ネットゲームにしろ、ネットを介して知り合った相手の個人情報を「聞く/教える」のは「危険」で「失礼」、あるいは「非常識」な行為だったと思います。たぶん今でもそうです。個人情報をネット上にさらすと悪用されたりする…ですとか、そんな感じですよな。 その「常識」の中では、リアルとネットは完全に別物でした。「ネット弁慶」だとか「ネカマ」なんて言葉もあったし。ハンドルネームやスクリーンネームは今もばりばり現役だし。 逆にネットを介していない知り合いにネット上の自分の情報を教えるのも、あまりやらかなった感じ。せいぜい自分のblogを教えるくらいでしょか。 そしてアタシはその状態に、なんかどこか、違和感のようなものがありました。「ネット用の自分」みたいな。なんか違う皮をかぶっているような不自然さ。偉い人の前で猫をかぶるように、ネットでは何かの皮をかぶっている様なもどかしい感じ。ネット上で知り合った人とのネットを介したコミュニケーションは、リアルで友人と話す時となんかしら違う。どこか素の自分ではない様な感触。 アタシ個人の違和感はさておき、リアルとネットに壁か溝のようなモノ、明確な線引きがあった/あるのは事実だと思います。 だけど最近、その壁だか溝だかを、Facebookががんがん壊して埋めてくれちゃってます。 そしてそのあり方にアタシは、ものすごくしっくり来ている感じがするのです。 Facebookは実名が規則で、出身校や出身地や勤務先なんかの個人情報をあけっぴろげにさらします。一応Facebookはクローズドなサービスで、そういった情報を閲覧できるのはFacebookのアカウントを持っていてかつ友人、あるいは友人の友人など、プライバシーは設定できます。けど。 Twitterやブログと連結する事でどっちみちバレるんですよね。 FacebookというSNSに繋がる事で、各自好き勝手なハンドルを名乗る不特定多数という正体不明の集団ではなくて、明確な個人が現れたんです。これはスゴイ。そしてすごくしっくり来ます。ちゃんと人とコミュニケーションしてるんだ、って思える。 アタシは古い時代からのチャットユーザ(それがチャットと呼ばれていなかった頃からの)で、メールも掲示板もインターネット以前(パソコン通信)から使っていたので、ネットを介したコミュニケーションには多分に慣れています。掲示板でやりとりする時の心得とか、相手に個人の連絡先を教えるタイミングだとか。 それらはなんとなく経験値で計れてましたし、もちろんハンドルの向こうに特定の個人がいた事は解っていたのですけれど。 でも顔と名前が見えているのってずいぶん違う。 そして圧倒的に感じるのは、リアルな友人知人とやりとりする情報の密度が増えた事。Facebookに書き込んでおくと、特に知らせる事がなくても近況を知っていてくれる。 「こないだどこそこの〇〇ってお店に行ってさ」なんて切り出さなくても「〇〇どうだった?」なんて聞かれたりする。 ようやく、ネットと世界がつながる様になった! って感じがすごくします。 ネットはリアルでない自分が遊びにいったり気晴らしをしたり、現実にとらわれる事なくなにがしかを主張したりする場所ではなく(笑 そこは別の世界ではなく。 日常の生活に準じたツールになってゆくのだな、と思うのです。 もちろん、ネットってくくりは大雑把すぎて、たとえば氏素性を知られる事なく羽根を伸ばして遊べるネットゲームがあってもいいと思うし、主義主張を現実世界のしがらみなく発散できる場所があってもイイとは思います。 日常のコミュニケーションとネットが密接になってきたのは、アタシとしては純粋に楽しいです。ようやく便利になってきたなと思います。現実的になってきたなとも。 でもみなさん気をつけてくださいまし。今までの匿名と同じ感覚で気軽にアレな事書いてると、いろいろ大変な事になっちゃいます。インターネットというのは情報をやりとりするところ。そして公共の場であることをキモに命じてご使用くださいまし。
by suzu_na
| 2011-12-18 15:38
|
ファン申請 |
||