2007年 05月 22日
浅田次郎の泣かせの方じゃない得意技。コメディタッチの人情話です。
コレって映画化してたんですねぇ。しかも主人公の椿山課長は西田敏行! は、ハマりすぎです!!w メーカーとの接待の席でぽっくり死んじゃったデパートマンの主人公。中陰でのお裁きに納得いかないし、やり残した事も気になるしで3日間限定で現世に舞い戻ります。 それにしても現代化されちゃった冥土です。人の人生を裁き来世を決めるあそこですよ!しかし今はその名も「スピリッツ・アライバル・センター(SAC)」! ちょ、まww 閻魔様はドコいっちゃったんだ!(笑 泰山府君は何処へ!?(笑 さておき、現世に舞い戻った3人の中で唯一「こわいこと」にならずに極楽往生できちゃった椿山課長。他の二人は現世でやりのこした事をまっとうし、「こわいこと」になるのを受け入れて正義と信念を貫くのに、彼は逆らって現世に戻ったくせにちゃっかりと自分の罪を自覚して、心残りもそのまままに極楽往生してしまいます。しかし、その凡庸さが彼の愛すべきところなのだと思うのですよ。 自分を裏切り続けた妻も、血の繋がっていない息子も愛して、その幸せを願うあたりが。平凡な人間の無力さと愛しさを表現していると思うのです。そりゃーおじいちゃんの様な立派な人間として生き、死後も人の為に己を犠牲にする人こそが真の理想なのでしょうけども。 普通のオジサンの普通の愛が、とてもイイ具合に描けていると思ったのでした。 それによく読めば解るんですが、「こわいこと」が地獄だなんて、何処にも書いてないんですよね。本人たちがそう思い込んでいるだけで。 無私の人昭三おじいちゃんと任侠道を貫いた武田の親分は、きっと降りて行ったエスカレータの先にも、お慈悲があるはずなのです。 もしアタシが死んで、やり残した事をやり遂げに戻ってきた時は、どんな姿になってるんだろ?(笑 >椿山課長の七日間[エキサイトブックス] >椿山課長の七日間[映画版公式]
by suzu_na
| 2007-05-22 22:53
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