2008年 05月 25日
想像と中身がだいぶ違ってました(笑
や、「近代現代の戦争で使役される軍用犬の壮絶な歴史(半ばノンフィクション)」のようなものを想像してたんですよ。それがまぁ。 太平洋戦争末期、北海道のさらに北、ベーリング海のキスカ島に置き去りにされた4頭の軍用犬から始まり現代に至る、犬の叙事詩です。 人間と共に生きる犬ですから当然人間の歴史に寄り添います。ベトナム戦争あり、マフィアの抗争あり、そしてソ連の犬。宇宙を巡ったライカ犬ベルカとストレルカ。 小説として、文章がものすごく個性的というか独特です。ちょっとクドいかなと思うんですががが。視点は一定せず超俯瞰かか、いっきに犬の視点に接近したり。あるいは人間の視点に接近したり。 まるで映像においてカメラワークが極端なズームイン/アウトを繰り返すかの様で翻弄されそうになります。 犬たちの話ですが、変に擬人化したりはせず、犬は犬です。人間の傍らで生きる犬をそのままに描いており、その歴史はとても面白いのですが、短いエピソードの積み重ねであり全体を通しての主人公が不在な為、一体どんな話だったのか。読了直後の印象ですら酷く曖昧です。 それこそがまさに犬の歴史なのかもしれませんけれども。 大教主の最後は、もうすこし劇的であって欲しかったなぁ。ベルカの存在と共もに。
by suzu_na
| 2008-05-25 17:29
| Book
|
ファン申請 |
||